『バーフバリ~伝説誕生~』感想

絶賛公開中『バーフバリ~英雄凱旋~』の好評がTLを飛び交う中、有志で集まり、1部である『バーフバリ~伝説誕生~』の鑑賞&実況大会をしました。

AmazonPrimeで各自レンタルして、ハングアウトで「いっせーの」で上映しつつ、実況。ピザ食べつつ爆笑しながら見るタイプの映画かな?と思っての提案でしたが、想像の100倍真面目な迫真のTHE・英雄譚でした。特に後半。

「ダイナミック!独特の映像と演出めっちゃ面白い!かっこいい!ベリーダンス最高!エキゾチック!円盤買ってもいい!ブラボー!2が見たい!」という熱くて楽しい気持ちが9
 「それはそれとして、バーフバリ(息子)はちっくり刺したい」が1です。

 

おススメするか、しないかなら、する。楽しいから。私情により激おこな一ヶ所がありますが、そこはそれ。見慣れないインド映画独特の色彩や映像美はたまらない刺激でした。ついでに言うなら、突拍子もないインド映画が好きな方より、古典的な英雄譚や、それに伴う言い回しや演出に燃える方にこそおススメしたいです。いや、ツッコミどころ自体は山ほどあるけど。

作品そのものから存在を全肯定される存在、バーフバリ

「勇者よ」
「撤退を知らぬ者、前進しか知らぬ者」
「美しい人」
最近の日本の作品で、彼のように『実績もなく、まだ何も結果を出してないのに、世界に祝福されているかのように肯定的に迎えられる主人公』は思い出せない。超新鮮でした。バーフバリを応援してればまず安心だ!感はすごい。

古代の英雄の条件を思いつくままに挙げると、
 ・体格に恵まれる。たくましくて雄々しい体
 ・顔立ちはお国柄基準の美が搭載される。
 ・類まれなる膂力。つまり純粋に力持ち。
 ・武芸に優れる
 ・弱者への憐れみを持つ
 ・多少の弓やら槍やらによるダメージは無きに等しい
 ・好色(すけべ)(すけべ)
…とかだと思うんですけど、見事に満たしてて完璧。

 ・身内同志の骨肉の争いで大体ぐちゃぐちゃしている
 ・非常に似た条件で、善玉悪玉として比較される相手がいる
 ・大前提として民衆はMOB
これあたりは英雄譚というより神話要素のほうかな…

シブドゥ(バーフバリ:息子のほう)がほんっっっっっとに「惚れた女のため」って動機だけで動いてるの最高におかしい。でもこの設定と順番で進めるなら、他に方法がないのもわかる。だって
  • 誰も彼の出自を知らないから、本人も知りようがない。
  • 彼の認識も、滝の下の村で育った屈強な若者でしかない。
  • もちろんヒロインであるアヴァンティカだって知らない。
  • でも、彼は彼であるだけで既に英雄であり、英雄であるからこそ戦いに行かねばならぬ
  • そして、物語も始まらなければならない
…とはいえ、「愛する人の使命は自分の使命だ」と精鋭の女戦士の最重要任務をたやすく肩代わりし、いち田舎の若者が単身で都に乗り込んで宮殿に侵入し、軍人と一戦交えて元囚われの王妃(実母)かっさらって逃走してくるってすごいな。愛する人(出会って数時間)
育ての親に充分に愛してもらって、思いのままにすくすく育ったんだろうなあ。

まだ何者でもない青年シブドゥ(バーフバリ:息子)。ムチムチマッチョだし、にやけてる(※多分これがこの役者さんの「優しい笑顔」なんだと思う)し、25歳には見えないし、働いているシーンが全くないので「大丈夫か…」って感じだったんですけど、笑顔で母を軽々と抱え、言うことは聞かないけど確かに母を愛しているし、その怪力でもって人を助け、倒れた老人には微笑んで手を差し伸べ…と有事の時の頼れる感は半端ない。

また、たぐいまれなる度胸・膂力と判断力、即席の弓矢を作り上げ、その成功を信じて戸惑うことなく断崖から飛び出せる決断力及び身体能力など、英雄の資質は既に十分。25年間ロッククライミングしてたら、そりゃ筋力・体力及びバランス感覚は養われそうですよね。

行動方針決める決定打がスケベ心なのも完璧。

そんなかんじで、シブドゥのターンは【属性:英雄】でも知識と実績が伴ってなかったので「大丈夫なんだろうけど、大丈夫か?いいのか?」だったんですけど、パパのターンになったら一転してガチの超絶スペクタクルインド叙事詩になりました。役者さんが同じなので相対的にシブドゥの評価も上がったけど、よく考えなくてもそれは超絶カリスマ人気者プリンスからキングになった父ちゃんへの評価だ。パパだと賢そうに見える。

全体的に語ろう


開始15分くらいですでに「円盤買おうかな…」って気持ちになりました。
色んな意味で大胆且つトンデモな映像、壮大な大自然、オリエンタルな美、何より台詞回しと演出がすっっっごい好み。古めかしくて仰々しい言い回し、最高に好き。

手傷を負い、赤子を抱えたまま深い川に落ちたシヴァガミが、
「命が欲しければ持って行くがいい。ただしこの子は生かせ。
 帰りを待つ母のため、
 王座を継ぐため、バーフバリは生きねばならぬ!」
って赤子を片手で抱え上げたまま沈んでいったシーン、最高でした。まさに神話の烈女。
日が昇り、赤ん坊の泣き声に気付いた村人が、水面に突き出た手から赤ん坊を抱え上げると、その手首がすうと動いて山を指し示し、村人がはっと振り返った時には遺体は既に流れていく…っていう
この演出!!!神話の世界!!!マーベラス!!最高に好き!!

さらに歌がめっちゃよくて、レンタル期間中に何度も聞きました。熱い。ミュージカルパートの歌と、登場人物の心情に合わせてダイナミックに展開する映像もとてもいい。蝶は舞い、楽園に花は咲き乱れる。
  • デーヴァセーナ王妃
    怖い。25年も中庭に放し飼いにされ見世物にされてもなお失わぬ不屈の覇気。「デンデラのボスババアレベルの烈女」という表現が秀逸すぎる。シヴァガミと彼女はなんとなく系統が似ているので、パパの女の好みは遺伝と思われる。
  • アヴァンティカ
    強いちょろイン。「なりたい自分を見出してくれた」で即落ち美女
  • シヴァガミ
    立ち姿が既に神話の女神。両腕に赤ん坊を抱いて玉座に座るその様はまさに絵画。常に目をかっぴらいている。パパ誕生~少年期~青年期~孫誕生のその間、少な目に見積もっても20年、容姿が全然変わらないので脳内がバグる。烈火の女神だから仕方ない。
  • 男たち
    みんな濃い。商人の男性が瞼重めのハンサムで、好みでした。

アプローチがだいぶきもい

映画バーフバリは現代に対応してる!強い烈女しかいない!ってコメントを多く聞くし、強い女しかいないのはその通りで、それ以前に「そもそも神話であり英雄譚だから」って思えば自分で自分を納得させられる話ではあるんですけど、それにしてもあのアプローチは処されても仕方なくない????

全く面識のない女性が水に腕を浸してまどろんでる時に、水面に潜ったままこっそり接近し、そっと腕にタトゥをいれ(その間無呼吸)、入れ終えてまた泳いで去っていくってやばい あらゆる意味ですごく怖い
さらに樹の上で弓引く女性の背後且つ頭上ポジションを取り、腕に蛇を伝わせ、女性が蛇に気を取られてる間にまた勝手に肩にタトゥを入れ、再度音もなく去っていくってだいぶやばい よく考えつくなそんな手法気付けよアヴァンティカも。

前述2つのアプローチもやばいけど、明らかに鍛錬を積んだ戦士である彼女の事情や背景に全く配慮することなく「君の笑顔が見たい」とのたまい、勝手に袖を剥ぎ、鎧を脱がし、髪をほどき(指も通す)、がっちりホールドして思いっきり流水浴びせて一度泥を落とした上で(!)勝手にメイクアップするとか
殺す!!!
ってなったんですけど、私が反応しすぎなのかこれは

『厳しかったろう彼女の人生への軽侮』『スケベ心(あえて恋心とは書かない)で彼女が築き上げた信頼を崩しかねない事態を招いたこと』『何もかも無許可。勝手に触るんじゃねえ現時点でお前は不審者だ』の三点によって私は怒り狂っていたので、激怒して殺しにかかるアヴァンティカと完全同調してたんですけど、ええはい、突然置いていかれましたよね。

「私にタトゥを入れた人 いたずら好きの恋人 青春をささげると決めた」

数分前までガチキレして襲い掛かってたのにーーーーーーー!?

なんでそれでキュルンってなるの…自分の美を見出してくれた相手にときめいてる場合か…そういう娘らしいあれそれに憧れつつもずっと我慢して、積んで積んで積んだ結果、信頼を得て最重要任務を与えられたんじゃなかったのか。相手は軽率にそれを帳消しにするやらかしをした相手だぞ!?

若者の情緒のジェットコースターについていけない自分の狭量を実感しつつ、最終的に「まあ…君がいいならいいや…野暮だよね…」という根本的なところに落ち着いて一旦鎮火した―――んですけど、その後すかさずピンチに陥ったアヴァンティカをバーフバリが助けるシーンが入って
「先にそれやっといてよ!!!」
って思いました。

いやなんか…なんか時々、私の感覚でいうお約束の順番が入れ違ってるところがあるっていうか…ほら、いっちばん先に命を助けて面識を作っておく、というシーンが入っていたら、少なくともいきなり矢を射かけ、目をかっぴらいて襲い掛かるところから関係性スタートせずに済んだだろうにっていう


・パパのターンはワンダーなツッコミどころが少ないため、至極普通に楽しんで観れました。
・厳しくも優しいシヴァガミ様が好きすぎる。ほんとにインドの絵画の中の、苛烈な女神様だ…「この宣誓を法と心得よ」って言い放てる気質すごい
・私はこの、「ほぼ同じ条件で愛情深く育てられたのに、どうしてか暴虐の気質がある」とされてしまう比較相手の立場を若干気の毒に思う。
あっというまにおっさんになる…麗しい褐色の美青年期があってもいいじゃない
・高台から飛び降りてきたシーンで、カッタッパ=呂布でインプットされました
・開戦前に互いのトップが話し合うの、古代の戦争ってかんじ
・蛮族たちが蛮族すぎるけど、製鉄の技術はしっかりあるので意外と文明度高い気がする
軍隊多すぎでは?? 戦士だけでこの人数もってこれる国って相当な大国だよ
・最終的に戦局を動かすのは、戦術でも戦略でも人の数でもなく、「英雄の存在」っていうのがとても神話。
・命綱を躊躇いなく競争相手に投げ渡し、大将首を横からかっさらわれても、笑んで頷いてあげるパパの度量よ

そして最高の引きで終わった伝説誕生。ブラボー!
英雄凱旋を観に映画館に行きたい!
…でもちょっとバーフバリ(息子)のニヤケ面をちっくり刺したい。
バーフバリ(パパ)のほうにはウィンクされたいです。

 

以上!

 

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